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古典文学を楽しむ会

3月は、「徒然草」の102段(全243段まであり)などを学びました。
ある貴族の大納言入道、宮中の大事な儀式の進行役を命じられても、経験も浅く、上司に相談すると、「又五郎男(おのこ)を師として仰ぐほかはなかろう」といわれる。その男は、老いた衛士(警備役)に過ぎないが、公事に習熟した人物で、身分の高い人たちの所作が故実と違うのを呟いているのがおかしい。
今の世でも「あるある」こと、宮中の決まり事に縛られたしきたりの難しさは、現代でも生きています。いまは卒業式シーズン、ひとりひとりがお行儀よく壇上で証書をうけとるしぐさが全員同じで揃っているのを、厳粛なよいお式だったと喜んでいる親たちに通じます。
白居易(中国の詩人)の漢詩も読みました。二月の雪がちらちら降っている日に「少し春ある心地こそすれ」と詠んだ藤原公任からの下の句に、「空寒(さむ)み花にまがへて散る雪に」という上の句を返した清少納言の才気は、白居易の「南秦の雪」の漢詩から読み込んだもので、評判となり、女官のなかでも内侍に推薦したいとまで賞賛されたということです。
当時は歌を詠むには、天皇をはじめ貴族たちに、漢詩の教養まで求められていたことがわかりました。
お知らせ2025年3月15日更新