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古典文学を楽しむ会

賀茂祭(葵祭)行列を見たい翁の願い

5月は、説話集の「十訓抄」を学びました。
頭に「葵」の葉をのせて、御所を出発、下賀茂神社をめざして巡行するきらびやかな行列は、今でも受け継がれている京の街に初夏を告げる大切な祭、誰もが一番いい場所で見たいと願う。

ある舎人(警備役)が「ここは翁の見物する所、寄るべからず」の立て札を暁からたてて、人々が「これは上皇様(陽成院)の場所らしい」と遠慮していたら、扇子をバタバタと悠々と見物する翁を見たので驚く。その後日談、噂を聞いて陽成院が呼び出して、ことの次第を訊ねると、「今年は私の孫が小役人として行列に出ることになり、その姿をどうしても見たくて札を立てたのです、上皇様とはひとことも書いておりません」と言い訳をして、「沙汰なし」となった。

平重盛も見物のために、空の牛車を5両ならべて置いて場所取り、本人が乗った牛車と入れ代ったというエピソード、源氏物語に六条の御息所が、葵祭にせめてもう一度、源氏の姿を遠くからでも見たいと、粗末な網代車で出かけた時の様子がなんとも情緒深く、比べて読むと興味深い。

そして、現代、運動会で孫の一瞬の姿に遠くからやってくる祖父母のために場所とりをする親たち、推しのパフォーマンスをより近くで見たいと早朝からスタンバイするファンの熱意。今も祇園祭や、よさこい祭の上席は大人気。平安の時代と変わらないかしら?

などど、話題をふくらましながら、古典文学の奥行きを感じ、楽しんでおります。どうぞご参加ください。

古典文学を楽しむ会2025年6月8日更新

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